豊年おどり1954

相変わらずの猛暑で、48時間が一日のように感じるため、日が経つのが早い。(わたしだけ?)


先日、昨年3月に閉校になった内田小学校の、校舎有効活用をするための会メンバー(同級生)から
放送室内に残っている機材で使えるモノがあったら選別しておくよう依頼があった。


有ればすぐ使える機材の殆どは、昨年閉校後に吸収合併先に既に運び出されており、使えそうな物は殆ど残っていなかったのだが、整備すれば使えるモノは分けておいた。そのままで使えるのもは、ほんの一部しかない。


教材のCDやDVDはこの先未だ使えるだろうが、VHSテープなどは廃棄になるのだろうと思いながら、乱雑に放り込まれたLPレコードの棚を何気なく覗いていると、 同級生でビクター専属歌手のS君が、40年ほど前、初めて出したLPが出てきた。オー懐かしいなどといいつつ他を見ると、地元の電気店のスタンプを押したレコード袋の中に、SP盤が裸で入っているモノが出てきた。他にはSP盤は勿論古すぎて残っていない。
これがなんと、小学校入学当時から運動会で踊っていた「豊年おどり」だった。


運動会で欠かさず踊っていたのだが、いつの頃からか音源がなくなり、途中で途絶えていたモノを、
有るときT先生が小学校の遠足で御宿の「月の沙漠記念館」へ行った折、場内に流れていたのが豊年おどりで、頼み込んでコピーして貰い、それから又運動会で復活した、という話は聞いていた。
閉校時に踊っていたのがそれだったのだが、島倉千代子の歌唱のモノだった。


その後私もネットで探し当て、Youtubeにアップしたのである。
しかし、当時の記憶とはどうも違うという感じは持っていた。
歌手のS君が、最初からそうだ、というので、まあ時間が経っているし、そうか、と自分を納得させていた。


みつけたSPレコードは、まさしく当時のモノで、「豊年音頭」ではなく「豊年おどり」で
作曲は「佐々木すぐる」で間違いなし。しかし、歌唱が「安西愛子」「川田孝子」(正子の妹)それに「土屋道典」である。


昨年仕入れたターンテーブルは、78回転が装備されているので早速掛けてみることにしたが、ホコリだらけ傷だらけ、おまけにヒビが入り、変形していてとてもそのままでは掛からない。
念入りに掃除をし、チャック式スタビライザーでしっかり押さえ込んだが、LP盤と違って簡単に変形は治まらない。
さらに、カートリッジがLP用しか無い。SP盤の針圧は通常5gだが、LP用ではそこまで掛けられない。
そのまま掛けると、外側の変形が著しくて、簡単に針飛びしてしまい、トレース出来ない。


そこで、まず、33ヶ1/3回転でやってみると、このスピードならトレース可能である。
このスピードで録音し、再生を2.34倍速でやると、78回転になる。


しかし、LP用カートリッジの針先は0.3mill、SP用はその10倍の3mill~4millである。
鉄針の蓄音機で削り散られた溝の底を引っ掻くので、音楽よりノイズの方が大きく凄まじい雑音源である。
ソフトである程度は取り除け、聴くことが出来る程度にはなるが、思うようにはいかない。


そこで腹を決めてSP用のカートリッジを購入することに。
しかし、これがLP用にはものすごく安い物があるのに、SP用は最安でも結構する。
安いイコライザ付きのターンテーブルや、アンプ、スピーカー付きの電蓄が買えてしまう。
SP盤は、前の引っ越しの際、処分しているし、この一枚のために??


まあそんなことを言っても今更安い電蓄を買ってもどうしようもないし、針先を交換すればLPにも使えるモノを購入。



しかしさすがに3millの針先は違う、雑音より音楽の方が大きく再生される。
おまけにシェラック盤特有のシャーシャー言う雑音が殆どでない。
勿論刻み込まれてしまった傷やその他諸々の雑音は出るので、そのままではやはり聞き苦しいので補正は必要である。。
ただ、LP用でピックアップした音源より補正はかなり少なくて済む。

  5g針圧調整が出来無いので、2gで調整したあと一円玉3枚(3g)をのせる。


とは言うものの、ギリギリまですり減っている状態から雑音が無い再現は無理、歪みも多いが、多分普通のプレイヤーでは再生が無理で諦めたであろう盤面から、良く拾い出せるものだと思う。

安西愛子盤では「揺れる稲穂はお国の宝~~」が
島倉千代子盤では「嫁が欲しけりゃおどりに~~」になっている。
題名が違っているがこれの経緯は今のところ不明である。

豊年音頭(歌 島倉千代子 中島孝)


豊年おどりとカップルの曲、行進曲に使われた。