「洞窟オジさん」

瞬く間に月日が過ぎ手ゆく。
普段の活動の他に修理やら興味があることやらあると、義務のような仕事や作業はそっちのけでのめり込んでしまう。結局ギリギリにならないとやらない、というか、やる気が起きない。あるいは取りかかれない。


パソコンで参考資料を探したりして、見つけるとずっと見てしまい、気がつけば夜が明けていたということがずいぶん多くなった。勢い新聞は読まな句なった。
他人のブログも、ずいぶんご無沙汰している。
ネットニュースが新聞の代わりになるかといえば、全くならない。ほとんどが、さわりだけで、中身がない。ニュースとはとてもいえないものが多い。


とは言いながらも、時には本も読む。
数から言えば読んだうちに入らないくらい少ないが。


「洞窟オジさん」は、2015年発行、昨年2023年夏に第九刷、その前に2004年に最初の本が刊行されている。
前回の東京オリンピックの数年前、13歳だった筆者が、親の折檻に耐えかねて、家出をし、後から追いかけてきた愛犬と足尾銅山の廃坑で暮らしはじめてから43年間、世俗をたって、世に復帰するまでが、2004年刊行の本の内容、私が手にしたのは、それがテレビドラマになり、その後10年間の彼のその後を加筆したものである。


43年間全く世間から孤立していたわけではないが、シャベルと塩と醤油を持って家出してから、洞窟で蛇やカエルを食べ、ミミズを煎じて解毒したりして想像もつかない体験をする。
小野田さんや横井さんさながらに、陸のロビンソンクルーソーである。私と同年代かやや上か。


テレビドラマになっているので、大半の方はご存じと思うが、私はその頃テレビはほとんど見ていないので、全く知らなかった。


群馬、栃木、新潟の山中で洞窟生活の後、埼玉や富士の樹海、茨城、千葉と転々とするが、ずっとホームレス。意外な展開から世に知られることとなる。想像しても決して書けない人生である。