性能は悪くないのに一寸残念なラジオ

未だに中華製を毛嫌いする向きもあるが、今や、中華製の部品や製品を抜きに語れない位品質も機能も向上、戦後の一時期の日本をなぞるような勢いである。
その上値段は格安と来ている。
電子部品、半完成品や測定器など、驚くほど安くて恩恵にあずかっている。


ポータブイルラジオは、概ね多機能、格安であるが、最近は国産メーカー品より高い物も散見される。
安いラジオは色々買っているが、ごく普通のポータブルラジオでも先ず全部と行って良いほどシンセサイザーチューナーで、ボタン操作、デジタル表示である。
2千円しないで買って便利に使っていた物が度重なる落下で壊れた。


次に買った物も2千円台、更に多機能で、SDカードの再生録音機能があり、3バンド、殆どが押しボタン操作、メモリー機能もある。


充電バッテリー式、外部電源端子もあり、内蔵のまま充電も可能。


音量ボリュームのみ、ダイアルで回すものであった。
通常FM補完放送しか聴かないので、他の機能は短波受信も含めほぼ使っていない。


これが、購入してすぐに、ボリュームつまみが、ポロリと落ちた。
分解してみると、ツマミから出ている心棒(ボリュームに刺さっている部分)が、根元から折れている。
写真は心棒の部分に穴を開けた後。


修理すべくプリント基板を外して見て分かったことは、ツマミをセットしてプリント基板をケースに装着する際、ケースの形状に無理があり、どうやってもツマミの軸に無理な力が加わって簡単に折れること。




他にもすぐ取れたという報告があって、販売サイトからこのラジオはすぐに消えた。
安いので色々手間暇掛けるのも面倒と、音量は一定のまま使った。普段音量は頻繁に変えることもないので不都合は無かった。


しかし、毎日使っていると、時に不都合も起こるので、1年ほどして同じような物を購入すべく探すと、同じメーカーから、ほぼ同じ値段で、音量ボリュームは押しボタンに変更された物が出ていた。(パッシブラジエーター内蔵、ブランド違いで全く同じものもあった)


壊れたラジオのボリュームは、可変抵抗器では無く、360度回転するロータリースイッチなので、押しボタンを追加すれば何とかなりそうだったが、安いラジオなので手間暇掛けるのも面倒だ。しかし、新しい品を買うのも釈然としない。


頻繁に調整するわけではなし、少し変更できれば良いので、爪楊枝で修理した。
滑らないように少し削って角を付ける。接着剤が固まったら余分な部分はカットする。
強い力で押し込めば壊れるが、音量を少し可変するだけなのでこれで十分である。


ケースの分割位置をわざわざツマミのアナを避けて製造しているが、穴にせず、穴の切れ目と蓋の合わせ目を同じにすれば組み立ての際、無理な力を加えずに済む話である。
多機能、性能もまずまず、使い勝手も悪くないので、惜しい、残念な設計である。


白の斜線部分が無ければ無理なくツマミを付けたまま基板装着が出来る。
ケースの境目を黄色線にすれば何の問題も無いのだ。



小さなラジオであるが、パッシブラジエーターが付いている。これが音声の低域に効いていて、非常に聴きやすい音になっている。これも気に入った理由である。

完成。

音量変化で表示も出る。押しボタン式の回路であるのに、わざわざ回転式にしたと思われる。余計残念である。