思考停止

それは、コーヒー数滴で外付けハードディスクがクラッシュして、撮り溜めたビデオデータを失ったすぐ後に起きた。
いつものようにパソコンを起動すると、突然チェックディスクなるものが始まり、延々と数時間続いても終わらず、強制終了したことから始まった。
立ち上がったデスクトップのショートカットアイコンが全部白いままだった。
その時の対策をいくつか試みたが、改善しない。


何度か再起動をしていると、大部分のアイコンが元に戻った。ヤレヤレと思ったのもつかの間、その状態ではデータ格納用に設定したDドライブが消えており、大半のソフトがまともに立ち上がらない。
更に再起動を繰り返すと、全部のアイコンが表示されたのだが、エクスプローラーが立ち上がらない、もしくは非常に時間が掛かるようになった。


この状態では、クリックしても動作に時間が掛かり、まともに操作ができない。そこでDドライブのハードディスクを外してみると、起動もその後の操作も嘘のように、新しかったときのようにサクサクと動く。


購入時に内蔵していたハードディスクだったが、丸8年で遂に故障したのであった。起動ディスクはSSDだが、これは未だ問題ないようだ。
困ったのは、外に待避してある重要データ以外のデータと、ソフトの殆どをDドライブに入れていたので、大半のソフトが使えないことだった。


写真のデータは外付けの別ドライブなので問題ないがソフトが動かなければどうしようも無い。
幸いにも、メールはアドレス帳も含めて全てプロバイダで保存してあるので、何の問題も無い。
だが住所録データは他にバックアップを取っていなかった。その他のデータも含め、これから全部入れ直すのは絶望的である。


そこで、壊れたハードディスクが全くアクセス出来ないわけでは無いので、外付けのUSB接続にし、新たにDドライブを組み込んだ。今までは全部「海門」のバラクーダだったが、今度はWDのREDplusの4TBにした。


この構成で立ち上げると、エクスプローラーの操作に時間がかかる、すぐフリーズするのは変わらないが、暫く待てば操作は何とかできる。これで、入れ替えたドライブにコピーしようというのである。


しかし、出来るのは出来るのだが、故障したハードディスクからの読み出しが、どうしようも無いほどに遅い。速度が毎秒kBオーダー、おまけに読み込んだとほぼ同じ時間、ゼロB,即ち停止してしまうのである。遅くても寝ている間、出かけている間に終わればいいと思っても、時々読み込めないデータがあり、それの対応をするまで止まってしまうのである。

10MBもでれば御の字、0かKBオーダーが続く。

だから、たかだか50GB程度のファイル転送に二日も三日もかかる始末である。
しかも面倒だとばかりに大量にコピー転送設定をすると、又違う問題が起きて、延々とファイルをチェックした後、転送出来ない、と、コピーをしないまま全てを終了してしまうのである。賢かったパソコンが考えるのを止めてしまったようでもある。移行すべきデータやファイルは1.5TBある。
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問題のHDDを外付けにしたあとは、エクスプローラーを使わなければ、コピーの間、ネットを見たりは出来るのだが、下手に操作すると、これまたコピーが止まってしまう。


そういうわけで、ある程度まで復旧しないと、ビデオの編集も出来無いため、お手上げ状態が続いている。


サブ機があるでは無いかって?
そちらは、銀行取引や経理専用なので、映像編集などとても出来る様なスペックでは無いのである。


映像用に高スペック機を買えば、という忠告もあるが、それが出来れば苦労はしない、試算すると現用機の倍以上する。明日がどうなるか分からない身に、片手以上の出費は竹竿で星を打つが如しである。
不具合のハードディスクが読み取り不可能になる前にできる限り救出するしか無い。



夏至を迎えて今年ももう半年、後は又陽が短くなるばかり。
肌寒かったり、夏日でうだったりと体調が狂う中、日中ボーっとして何も考えられない日が続くのである。