手間が掛かるアナログ

9月29日はクリーニングの日だからと言うわけでは無いが、
友人からレコードクリーナーを借りてきたので、試してみた。
レコードクリーナーは簡単なブラシからバキューム式までピンキリで、完璧というモノは高額でとても手が出ない。借用してきたモノは、超音波洗浄式である。
我が家で一番ホコリが少ないところは風呂場である。ここにセットする。




内蔵のアンプ出力は定かで無いが、消費電力は180w、発信周波数は4万Hz、ヒーターとタイマーが付いた6リッターの洗浄槽と、8枚まで同時に洗えるレコード回転台が付いている。


左が温度計、現在37度。右がタイマー最大30分。
LP2枚と、EP4枚をやってみた。

このレコード回転台、無垢のアルミ材でしっかり出来ている。


6リッターの洗浄槽では、元々形状がLP用では無いので、精製水を使うとかなり無駄がでる。
とりあえず規定線まで満たし、溝が全部浸る様にする。今回古いレコードもあるので、界面活性剤入り洗剤を1cc~2cc入れた。枚数を少なく洗うときは水を入れたペットボトルなど沈めてやればかなりの節約になる。

精製水は1リッター当たり100円程度。汚れ落としには水道水でも良いかも知れ無い。
今回は精製水を使い、洗浄したあとのすすぎにも同様に使ったが、もったいないので、次回用にペットボトルに保存した。
ドーナッツ盤にはこのアダプターを使う。


これを都度使う用途で使用し、外すのが面倒で使いにくいという人がいるが、元々これは、はめっきりにするためのモノなので、面倒という人は、普通のドーナッツ盤用アダプターを使えば良いのだ。
一々はめて外してと言う使い方でも、言うほど面倒では無い。厚みもレコードと同じになっている。
(ドーナッツ盤でもアダプター無しで使えるモノが確かビクターから発売されていた。ドーナッツにするときは、三つ矢状の部分を折れば良いようになっていた)。


洗浄後は東レの「トレシー」で水分を拭き取り、乾燥させる。
乾燥したら、新しいレコード保護袋に入れて保存する。


さて、60年近く前のLP、手持ちのは購入当時安いプレイヤーで散々かけたので傷が酷い。同じものが偶々オークションで出ていたので、ダメ元で落札、洗浄して聴いてみた。

第二楽章が、静かな演奏と有名な旋律なので、何度も掛けたのかスクラッチノイズが酷く目立つ。
ホコリでは無く、溝に刻まれて仕舞っているようだ。第3楽章や第4楽章は、演奏が賑やかなことを差し引いても、余りノイズが目立たない。ステレオ(疑似)演奏を楽しめる。


音頭や踊り歌として最近何枚か手に入れたEP盤はどうか、と言うと、やはり取れないものもあるが、殆どが、余り回数を掛けていないと思われ、殆どスクラッチ音が出ない。気持ちよく聴くことが出来た。
これはラッキーだった。


枚数が少ないときは手で洗っても良いが、数多く洗うときはやはりこれは便利である。
汚れが酷いときは歯ブラシと洗剤でゴシゴシ洗う方法もあるが、アナログは手間が掛かることに変わりは無い。