APD?

身内に難聴の弟が居る。数年前、難病というか奇病に罹り、完璧では無かったが奇跡的に回復した。
その所為かどうかは不明だが、暫くして難聴の症状が出た。病院に通い、結構な時間をかけて補聴器を使うようになった。20万近くしたのだが、彼の市の補助でほぼ無料になった。(行政地区によって異なる。千葉市では補助金が出ないので、運動中である)


普通両耳で聞いた方が方向や必要な音だけ聴くには都合が良いはずだが、、彼の場合、両耳では何を言っているのかかえって聞こえにくい、片耳だけの方が良く聞こえると言っていた。スマホでイコライザの調整が出来て、自分に都合の良い音に調整が可能だが、どうもしっくりこないようだった。電話の音は補聴器に直に送れるのだが、そうせずに、普通に耳で聞いた方が聞こえやすいという。


13日、親戚が大勢集まって賑やかだったお盆は、今は昔の物語、両親が他界する少し前から、亡くなる親戚が相次ぎ、集まることも無くなり、寂しいお盆になっていたが、ここ数年は、私と弟だけの寂しい迎え火になっていた。
近所もそうだが、皆陽がある明るいうちに行くようになった。
今年も行こうと電話をしたら、天候不純で、夕方にはかなり早いのにもう済ませたという。


線香をあげに行って色々話している内に、弟の難聴は、単純な、音圧があれば聞こえる物とは違うことが分かったと言う。


それは「APD」(聴覚情報処理障害)という。
最近までかかりつけの医師さえも知らなかったのだと言ったという。


どういうことかと言えば、音は聞こえているのだが、聞こえている言葉の意味が分からないのだという。
弟の場合、電話での会話や、1対1で静かなところで会話する分には聞こえて今のところ意味も理解出来ているのだが、雑踏の中や、大勢でワイワイガヤガヤしているところでは、全く意味が分からなくなると言うのである。また、母音は聞こえるが子音が聞こえなくなり、意味不明になるのだそうだ。更に言えば、音楽など聴くとき、伴奏は聞こえるが、ボーカルが何を歌っているのか全く分からなくなると言うのである。
単純に音が聞こえにくくなる難聴とは全く違う物だったのである。
それで、地元の町内会会長会の役員を断ったのだった。
難病がその原因になったかどうかは、誰も分からない。


私の聴覚は、年齢相応の高域の感度が悪くなっているが、難聴にはまだほど遠いと自覚している。同級生にも、難聴だが、普通の補聴器では全く役に立たないと言っている人が居る。


国内では2%、欧米の子供達だと3%くらい患者がいるようである。