歴史的音源 自作朗詠

古い音源を色々捜し回っていると、面白い音源に出くわすことがある。
先日見つけたのは与謝野晶子と、北原白秋の自作朗詠集というもので、本人の作品を作者が読んだり朗詠したりしたものである。1981年3月の製作で、17cmLPである。そんなに古い物では無い(充分古いか?)が録音自体は昭和12年7月にコロンビアが録音した音源である。

                  


日本歌人集よりとあり、当時著名人をコロンビアが録音したものの全集の一部であるらしい。
天中軒雲右衛門の音源があるくらいだから、もっと多くの人を収録したものがあるだろうと探すと、LPが有ったらしいのだが見つからない。
だが意外なところにそれはあった。コロンビアからCDが発売になっていたのである。


しかも2005年(左)と2019年(右)の2度である。
劉邦とも同じ内容である。


音源は、全てSP原盤からと有り、音質は当然電気録音なので、想像していたより、かなり綺麗である。
多少のノイズはあるが、LPからの採録かと思わせる音もある。北原白秋の音が全般にスクラッチノイズが載っていて収録の中では一番悪いが、それでもすり減ったものからでは無く原盤からなので、酷いという音では無い。


朗々と唄いあげるもの、感情を込めたもの、棒読みのようなものありで、各者各様、坪内逍遙は、役者のようでもある。
どの作者も著作権は切れているものの、著作隣接権があって、公開出来ないのが残念であるが、
与謝野晶子の短歌朗詠はYoutubeで聴くことが出来るので、お聴き頂きたい。
こんな節回しで、と思うのであるが、彼女独特のものか、当時は誰もがこのように唄ったのか、
なかなか興味深い。

与謝野晶子肉声



国立国会図書館のページには、様々な歴史的音源の項目があり、著作権が切れたものについては、ネットで聴くことが出来るが、保護期間中のものは、図書館へ出向かなければ聴くことは出来ない。




著作権情報センターより
著作物の種類 保護期間
実名(周知の変名を含む)の著作物 死後70年
無名・変名の著作物 公表後70年
(死後70年経過が明らかであれば、そのときまで)
団体名義の著作物 公表後70年
(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年)
映画の著作物 公表後70年
(創作後70年以内に公表されなければ、創作後70年)



隣接権や版権があるので、実際の使用はややこしい。以下ご参照。








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