「落下制止器具」義務講習会

外は晴天の日曜日、朝から一日講習会だった。


「墜落制止器具」とは聞き慣れていない方が多いと思うが、
「安全帯」のことである。
平成30年6月に改められた労働安全施工令で平成31年2月1日から施行された
安全則及び安全衛生教育規程に則り行われている特別教育である。
呼び名が表題のようになり、胴ベルト型からフルハーネス型が義務化された物で、
使用の際は、特別教育を受講している事が必須条件なのである。



フックとハーネスを結ぶロープ(ベルト)部分をランヤードと言うが、落下してこれが伸びきった場合が5mで、作業床が確保されない2mを越え5mまでの間は従来型同ベルトの「安全帯」が許されるが、これ以上がフルハーネス使用が義務化される。6.75m越える場合全てと、フックが足下に来る場合は第2種のランヤードを使用しなければならない。細かい規程がいろいろあるが大雑把に言えばこういった所である。




従来の胴ベルト型では、落下してぶら下がった場合、すっぽ抜けたり、腰を折ったり、腸内を圧迫したりで安全を確保出来ない事例が多く発生したためである。


さて、高所作業を禁止されている高齢者の私が何故受講したのか?
勿論規定では高所作業をやらせてもらえないし、また私自身もこの年でやりたくも無い。
だから施行される前から関係ないと無視してきた。


だが、先般の銚子の現場のようにやらざるをえない状況も出てくる可能性があり、未講習だと、ハーネスが使えない事が想定される。


今後やることはないとしても、講習料も半額で、ハーネス購入も国からの補助がある。後進の指導のためにも、無いよりあった方が良いと判断して、せっかくなのでこの際受けることにしたのである。



それにしても、胴ベルト型に比べると高価である。写真のカタログは、業界ではヘルメットで有名な会社のものだが、上が4万5千円、下が4万円。使用寿命はハーネスが3年、フック付きランヤードが2年(法定耐用年数)である。毎日使うならともかく偶にした使わないのでは、頻繁に買える値段ではないが、命には代えられない。


それに、室内作業で、胴ベルト型のように必要が無くても着用を強要されると、作業性が著しく悪くなる。また空調作業服は着用出来ない。


因みに、2022年1月1日以降は、2019年8月1日以前に製造された物は、胴ベルト型もハーネス型も使用出来なくなる。