映画「小林多喜二」

今井正監督の「小林多喜二」を見てきた。
1974年劇場公開作品。


当時活躍していた俳優の面々が懐かしい。
山本圭、北林谷栄、佐藤オリエ、中野良子、長山藍子、地位男、富士真奈美、
下條正巳、堀内正、悠木千帆(樹木希林)、等々若かりし頃の姿が並ぶ。


「小林多喜二の母」とは違って、目を背けるようなむごい場面もあって
表現は生々しい。下は、自宅に運ばれた、あまりにも痛ましい「多喜二」を見て、集まった一同が息をのむ場面。


治安維持法による犠牲者は、拷問死93名、獄中死400名にも上る。
当時新撰組を名乗り、「小林多喜二を殺す」宣言し逮捕、拷問虐殺した、3人組
中川茂夫、毛利基、山形為造を始め、当時の最高位責任者だった安部源基らは、出世栄転し、戦後は反省するどころか、暴力は振るっていないと嘘を言い続け、要職に就き警視総監に上り詰めたりし、長生きした。


捜査取り締まりのための予算は潤沢にあり、使い放題、それこそ使徒報告の義務も無く、その金で妾を囲っていたりする。


戦後一時期は、公職追放されたものもいるが、GHQの赤狩り政策で、取り消し無罪放免、、全国に散らばった。
安部源基は、岸信介等とA級戦犯で巣鴨に入るが、6名処刑後他の戦犯と共に釈放されて要職に就いている。