スピーカー技術の100年Ⅳ

佐伯多門著の「スピーカー技術の100年」が
5月の連休明けに発刊、一年に一冊ずつで遂に4巻目になった。

                                          

                                                                                 

Ⅳ巻目は新素材と新技術による音質の追求ということで、
特に著者も関わっていた放送用モニタースピーカーが詳しく解説されている。

                              



オーディオ雑誌等で見聞きしたりして、大抵の技術について知っていたつもりであるが、
これだけ膨大な資料と解説で初めて知り得たものも多い。


オーディオファンにとって半世紀以上も生きてくると、人それぞれに思いがあると思う。
私の場合、再生技術で印象深いのは、発展するかと思われたのに消滅してしまったMFB(モーショナルフィードバック、SPまで含めたNFB)である。
どちらかと言えば、高忠実度と言うより、低音再生が主だったと思うが、アマチュアが手に出来る製品としては、1960年代当時「ナショナル」の8P-Z1が永いことカタログに載っていた。オンキヨーも出していたようだが、よくは知らない。
メーカーとしての製品は、ラックスから専用スピーカーを使わなくて良いブリッジ検出型のアンプが製品化されていた。その後検出にマイクを使ったものなどあったが、話題になることが殆ど無く、
ラジオ技術で高橋某氏が個人的に研究したもの(低音だけで無く全帯域MFB)が永いこと連載されていたが、いつしか止めてしまった。(それ以前にもやっておられた方がいた)
市販された製品としては、フィリップスのブックシェルフ型に搭載されたものがあったくらいで、他は殆ど無かったと思う。
その後ビクターも出したが、アンプと一体でやらなければいけないので、コンポーネントで組み合わせる時代になって殆どは消えた。
しかし流れは続いていてヤマハのAST1に引き継がれて行く。


簡単に大出力が得られる時代になって、アンプがボックスに組み込めるようになると、現在ではスーパーウーファーとしていくつかあるが、前述のヤマハと、フォステクスの製品にMFB方式を歌ったものがある。


現在では、かなり小さなスピーカーでもそこそこに低音が出せる時代になったが、やはり大きなスピーカーで出す音にはかなわない。
一方でビッグバンドのコンサート等で聴く生の音楽は、とてもスピーカーで再現出来ないし、又出せる環境も無いが、いつの時代も低音に飢えており、思うばかりで歳をとってしまった。
ココまで来ると、どんなに頑張っても、もう無理なので、現在の再生環境は、
専らヘッドフォンとイヤースピカーで我慢である。





コメント数:0 コメント