名器はいつまで?
夫婦で芸術家のいとこから、先月、長年愛用しているオーディオ機器から音が出なくなったので見て欲しいと言う依頼があった。
オーディオに凝っているわけでは無いが、長年JBL定番の名器を使っており、長い時間をかけてやっと気に入る音にしたのに、と言う。
アンプはラックスで此もオーディオ華やかなりし頃のもの。メーカーに持ち込んでみて貰ったら、異常なしと言うことで返されたという。
後はスピーカーしか無いというので私に声が掛かった。ネットワークが怪しいという。JBL N2400。
結果から言うと、スピーカーは異常なし。問題は他にあったのだが、ツイーターのレベルが結構低い。ネットワークのコンデンサーを取り替えることにして部品を調達。
お互い時間が合わない中、音楽が無いと生きて行けない(?)というので急遽5日に行ってきた。
ネットワークのアルミダイキャストのケースはビス留めだが接着剤でしっかり固定してあるので、他の誰もがやっているように裏蓋を彼が開けた。ノミでアルミリベットの頭をそぎ落とすと簡単に開く。
コンデンサーは6㎌が手に入らなかったので、近似の6.2㎌を使った。
ATTはガリもほぼ無しでそのまま。
ネットで色々見ると、修理後蓋をするのに苦労しているようだが、ケース側にアルミのリベットを残しておくと、2mm~2.5mm×10mmくらいのタッピングネジ、あるいは木ネジが使えて苦労無く蓋が出来る。
この時代のネットワークのターミナルはプッシュ式でかなり小さい。又電線の色が独自のものなので、わかりにくく間違いやすいため、内部配線は4s6に換えて、入力ターミナルをバナナプラグが使えるように交換した。
用意したターミナルは、取り付け孔とワッシャを0.5mmほど広げると、ピッタリ収まる。
アンプからの接続ケーブルは4s8を使い、スピーカー側はL型バナナプラグ、アンプ側は、先バラ先端ハンダ付け。
スピーカーボックスは彼の自作だが、2階建ての家も自作である。
075の前の幾何学模様のパンチングパネルは、高音拡散用?!
音出しでまともに音楽が流れると、ホッとする。彼も大喜び。時刻も遅くなったので、微調整は、ゆっくりやると言うことで、修理を終えた。
彼が音楽好きと言うことを知ったのは、ここ数年のことである。彼の弟もジャズ好きで、マッキントッシュのアンプにタンノイのスピーカーで鳴らしていたのだが、山も好きな弟は先年念願のログハウスを那須に建てて一年もしないうちに他界してしまった。ログハウスはそのまま残してあるのだが、その遺品を今年、空き巣にそっくり盗まれてしまったのである。
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